大学内定率、最高の87.9%の次に起こること

大学内定率、最高の87.9%の次に起こること

 

 19日朝刊日経新聞に以下大学内定率についての記事が掲載された。

文部科学省厚生労働省は18日、2019年春に卒業予定の大学生の就職内定率が18年12月1日時点で87・9%だったと発表した。前年同期より1・9ポイント上昇し、この時期として過去最高となった。上昇は8年連続。文科省は「景気の穏やかな回復で企業の採用意欲が高く、求人数が増えている影響とみられる」としている。

 

ここ数年、企業の求人数が多い「売り手市場」が続いており、18年春の大卒者の就職率(18年4月1日時点)は98・0%と1997年以降の過去最高を3年連続で更新している。調査は全国62大学の学生4770人を抽出して実施。卒業後に就職を希望する学生のうち、すでに就職先が決まった割合を内定率としている。

この記事を読んだ瞬間に想思い起こされたのが、筆者が大学1年生の入学式(2007年4月)で聞いた学長の辛辣なお言葉だった。

「入学式早々で厳しい言葉となる。今年の大学生の就職内定率は大変素晴らしいものだった。残念ながら君たちが就職活動をしている頃は今より就職環境は厳しくなるかもしれない」といったニュアンスのお言葉を頂いた。正直当時は入学できた喜びでその言葉は右耳から左耳に通り抜けていた。

しかし、学長の予言は残念ながら見事に的中してしまう。入学した年の暮れにサブプライムショック。続く2008年9月はリーマンショックが勃発。100年に一度のショックと言われ、世界経済の大減速が日本企業にも波及し、企業業績の悪化、日経平均株価も大暴落を演出した。

市場サイクルに抗うことができなっかた格好となった。発端はアメリカの住宅市場だ。2000年代前半から住宅の価値が上がり続け、2006年は経済も絶好調だったが、住宅市場まさにそこがピークだったようだ。

その後は種々ショックが噴出し、リーマン・ブラザーズの倒産が決定打となり大不況の扉が開かれてしまった。当然日本企業も新規採用を絞る、または見送るところとなった。筆者もその最中に就職活動をしたわけだが、人生で一度きりの就職活動だったので厳しい環境だったとの認識がなくはなかったが相対化できるものではないのでコメントは控える。

本題はこの3年連続で過去最高の大卒就職内定率を更新しているという事実だ。過去の経験に照らし合わせ、市場サイクルに素直に従うとするならば、近い将来、大きな景気悪化を招く可能性が高いということだ。今年から来年にかけて株価が高値をつけ、そこから急落を迎えるというシナリオだ。

もし私が大学長ならば今年入学してくる大学生1年生には、(そう現在センター試験を行っている高校3年生)残念ながらそれどころではないでしょうが、冒頭のかつての大学長のお言葉をそのままお届けしたいところです。