“内向的な人のためのスタンフォード流ピンポイント人脈術” 書評

“内向的な人のためのスタンフォード流ピンポイント人脈術” 書評

個人が活躍できる時代になりつつある。

ここ数年、この類の書籍でキーワードになっているのが「個人」である。

著書でも「動きまくる個人」、そのことで組織のピラミッドが崩れてかけていると説く。

今は個人がネットで多くの人に情報を発信することができ、気になる人とつながりを持ちやすくもなった。

 もはや職場の人間関係が全てというわけでもなく、人間関係の世界が広がっている。

そして世界的にも企業の人材の流動性も高まってきており、もはや企業名や役職などの肩書は以前ほど重要ではなくっているという。特に日本人にこういった肩書を持ち出す傾向がある。

アメリカ西海岸では特に顕著で名刺交換をせずに会話を初対面では会話をするようです。

どこの企業に属しているかよりも自分が何に情熱を燃やしているのか、専門は何か、得意分野は、使命はなんなのかを語るのがグローバル・スタンダードのようです。

これには日本の雇用慣習が大きな原因と考えており、同じ会社で定年まで勤め上げるという慣習だ。人材の流動性が低く、そのせいでよりどこの会社に属しているのかが重要となった。

日本でも最近は非正規雇用者数の拡大や中途採用の活発化により、徐々に流動性が高まっている。裏返せば会社では個人の老後を面倒みられませんということで個人のスキルを高めて、個のちからを上げるしかない。

 

そして最近のキーワードは「生産性」であろう。

なんの法則か忘れたが、組織というのは上位2割が優秀。6割が普通。下位2割がフリーライダーだ。これは私個人の経験則でもあてはまり、普遍性がありそうだ。会社では働くパートナー、上司、部下を選ぶことが難しく士気の低い人と仕事をしなければならないときに生産性が落ちてしまう。

だからこそ、会社に軸足を全て移さないほうが良いかもしれない。

自らも発信者となり、気の合う、好きな人と熱気を保ち続けた方が格段に生産性は上がるはずだ。

 

今回は2つのキーワード「個人」と「生産性」を取り上げたが、2つを合わせると「一人あたりの労働生産性」となる。OECD加盟する主要31カ国中21位と高くない。

これは現在の社会構造に改善の余地ありということでしょう。今こそ人生の意義、働く意味を考え抜き、仕事を捉えていく必要があるのだろう。

 

 

参考文献:竹下隆一郎、「内向的な人のためのスタンフォード流ピンポイント人脈術」株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン2019、252p

参考URL:https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2018_press.pdf